商品部
市場の声に耳を傾け
新しい価値を生み出す
市場から求められる商品を協力会社から仕入れたり、一緒に新しい商品を開発するのが私たち商品部の仕事になります。
私たちの取り扱う商品は、その一つひとつに歴史や伝統があり、お客様に永きに渡り愛されるこだわりの品ばかりですが、とはいえこうして世の中に物が溢れ、既にあるきものや、ブランドのついた商品だけではなかなか販売につながらない時代の中で、自分たちの新しいアイデアや企画を、協力会社の方に直接ぶつけ、市場価値のある商品を共に創り出していくことがとても重要になると考えています。
最前線にいる営業部のメンバーと密に連携を取り、市場でお客様が望まれているものを敏感に察知して、生地の色や材質、柄の選定や形状など、協力会社の持つ情報と掛け合わせをして、小売店さんがより販売しやすい、売りやすい商品を開発するのが私たちのミッションです。もちろん、商品部が直接売り場に出向き、お客様に直に商品をご提案・販売することで、より精度の高い情報を集めることも重要になります。
商品部の主な仕事内容
- 商品仕入れ・及び商品製作
- 催事企画考案
- 業者販売・消費者販売
- 商品管理
- 入出荷作業
- 得意先との商談
日本のきものにこそ、未来を感じています
きものに使われる生地はすべて、近江屋のあるここ、京都に集まって来ます。それを、私たちがどう扱い、どう発信していくか、その役割の持つ重要性は決して軽くないと考えています。きものの良さや魅力を、どう伝えていくか、日々試行錯誤を繰り返しています。
きものは謂わば、日本の民族衣装です。その民族衣装であるきものが、こうして日常的に扱われ、重宝されている国は、世界的に見てもとても稀なことではないでしょうか。きものを単なる礼服やユニフォームとしてではなく、日常生活のなかに取り入れ、人生を華やかに彩る、そういった視点を持って取り扱う、しかも、一定以上の市場を確保し続けているのは、世界を見渡してみても日本くらいだと思います。
きものは、近年になって海外でも広く注目され、その価値が見直されつつあります。また日本においても、晴れの日だけではなく、ファションとして日常的に取り入れる方も多くなり、きものを扱った大小様々なイベントが各地で開催されています。
伝統あるきもの文化やその産業を、“斜陽”と受け取る方もいるかも知れませんが、私たち現場レベルで見るとそのようには感じられず、むしろ日々お客様に向き合い、仕事をするなかで、きものの持つポテンシャルや可能性をいくつも感じることができます。
現に、弊社で海外事業を手掛けたり、別の産業とのマッチングにもチャレンジしているように、伝統を守りつつも新しい未来に向かって、きものの価値をアップデートするような取組みも多くあり、とてもわくわくしています。
とはいえ、職人の高齢化によって物が入ってきづらくなっているという現実も確かにあります。きものを扱う世代の若返り施策は、私たちの大きな課題でもあると考えています。だからこそ、私たちがよりきものの価値を社会に広め、多くの方に手に取りご購入いただくことで、きもの産業を支え、これからも維持・拡大させていくという大きな使命があると考えています。自分たちの手によって新たな市場を創り、しっかり仕入れをしていくことで、職人さんたちの仕事を支えていく、新しくその仕事に就きたい、伝統を守りたいという若い人を育てていく、そういった使命感を抱いています。
きものの魅力をより深く浸透させたい
私たちが販売しているものの多くは「日常的に必要なもの」というのではありません。それを手にされる方の晴れの日や、人生の節目において必要となるアイテムを多く販売しておりますが、それは“もの”というよりも、それを扱うことで派生する感情や演出、つまり商品によって生まれる付加価値=“こと”を売っている、という意識があります。
きものがどういうふうに作られていて、どういう流通でお客様の元に届けられているかという部分は、外部からはなかなか見えないものです。しかしそこには確かに多くのドラマがあり、未来に向けた発見があり、そこに関わる者だけが知る歓びがあります。私たち商品部の仕事は、多くの人の目に触れることのないセクションだからこそ、数多くの可能性が秘められていると感じています。
きものを広めることが私たちの仕事ですが、それと合わせて、その伝統・文化を広めていくために、私たちがどう関わっているか、生産者さんから小売店さん、そして私たちも含めて、どういった志を持ってお客様のために動いているか、それらを丁寧に認知させていくことで、きものの持つ本来の価値を、より広く、深く、一般のお客様にも浸透していけると考えています。